悲恋物語 おなつの伝説 

昔鳥取県境に程近いけんじょ谷に木地師の集落があり
二百三十年あまり前、おなつと言う娘がいました。
まれにみる美貌の持ち主で、近郷の若者の評判になっていました。
おなつは木こりとして山に入っていた備前の若者と
すでに二世を誓っていましたが、美しさがあまりにも有名になり
ある藩の殿様の耳に入り側室に差し出すように厳命がありました。
恋人や親との板挟みになったおなつは、思い余って渕に身を投げ
命を絶ってしまいました。
おなつのお墓は草深い山中にひっそりと立っています。
このお墓は首欠け地蔵で首を抱いて寝ると良縁に恵まれるというので
いつの頃か村の若者が持ち帰ったと言い伝えられています。
【おなつ思いきれ備前の木こり、おなつはこのほど死んだぞや・・・】
こんな俗謡があり、昭和の初め頃まで山人の間で歌われていました。

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